ねこまどうの憂鬱

わたぼうに頼まれた仕事は、ぜんぜん難しいものじゃなかった。
ルーレット屋の近くには小さな倉庫がいくつかあって、その内のひとつにルーレット屋の景品は収められている。
あたしはそこから毎日メダルとかチケットなんかをルーレッ ...

ねこまどうの憂鬱

「浮かない顔って・・・ここの仲間たちはみんなそんな顔してるじゃない」

不思議に思ってあたしは尋ねた。

「うーん、まぁそうなんだけどね。」

台の上にもたれかかるようにしながら、わたぼうはあたしをじっと ...

ねこまどうの憂鬱

牧場は、しんとしてとても静かだった。
草も木もたくさんあるのに、葉擦れの音もしない。風も吹かない。
もちろん雨も降らない。
芝生を踏みしめてもかさりとも言わない。
寒くもないし暑くもない。

...

ねこまどうの憂鬱

目の前にいたのは、昔あたしがいた場所でよく見かけていた魔物だった。
確かこいつは、一見可愛らしく無害に見えるけれど、本当はとても残忍で怖い魔物だったはず…。

そう、こんな顔で他の魔物を襲っているところを見

ねこまどうの憂鬱

気がついたら、目の前であの人が倒れていた。
駆け寄り蘇生呪文を唱える僧侶の隣であたしは呆然と立ち尽くしていた。

あたしには、あの事故の記憶はそれしかない。

いつもと同じようにあの人と戦っていた。

ねこまどうの憂鬱

あたしがお庭でウトウトしていると、どこからかふわふわとホイミスライムがやってきた。
「こんにちは。今日は出かけないの?」
「予定はあるみたいだけど…」
「ふぅん。いいお天気だしお散歩もいいもんだよ」
こ ...

ねこまどうの憂鬱

「ゆず」
あの人はあたしのことをそう呼んだ。
あたしと出会った瞬間、ぱっとその名前が頭に浮かんだのだそうだ。

「黄色い服を着ていたから?」
あの人にそう聞いてみたけれど、他のねこまどうにはまったく名 ...

ねこまどうの憂鬱

気がついたらこの世界にいたという記憶しかないあたしは、生まれた頃のことをよく覚えていない。

ここに来る前の思い出と言えば、綺麗に晴れた青い空と、ゆっくりと流れていく白い雲と、そしてどこからか漂ってくる潮の匂いだけ。何をして ...