庭師パペットマンのささやかな日常

庭師パペットマン…

草花に愛情を注ぎ、ガーデニングにそのすべてを捧げる男。

彼は名をアラシヤマという。
モンスター牧場で生まれた彼は、牧場の外に出て初めて本物の草花を見て、その美しさに魅せられたのである。

「ようアラシヤマ!」

「なんどす?コジローはん」

「オマエ、ガーデニングが生き甲斐とか言ってたよな?」

「ええ、そうどす。草や花はええもんどす。丹精込めて世話をしたら、その分きっちり応えてくれるんどす。
その点、魔物やヒトはあきまへん。どんだけこっちが気にかけて心を砕こうと、それが真っ直ぐに伝わるとは限りまへん。そもそも…」

「待て待て待て!わかったもういい。今はオマエの講釈をゆっくり聞いてる暇は俺にはないんだ(洗濯しなくちゃ)。そんなことより、だ!」

「なんどす?」

「ガーデニングが趣味だとか言いながら、今のこの庭のザマはなんだ?」

「ザマ??どういうことどすか?」

「見てみろこの草!あちこち好き勝手に生えてきて花を咲かせるおかげで、俺の影がすっかり薄くなっちまってるんだよ!」

「あー…コジローはんはちっさいからしゃあないどすなぁ」

「うるせぇ!オレはこう見えてもプクリポの中じゃ背が高い方なんだ。いやそんなことはどうでも良くてだな!」

「とにかくこのボーボーに生えてる花を何とかしてくれ!オレのことはまぁいいとしても、これじゃせっかくの庭が台無しだろう?」

「台無して、そないなことよう言わはりますなぁ。」

「まぁ見ておくれやす。この花たちは最初はひとりぼっちやったんどす。このわてみたいにね。」

「それが、抜いてしまうのが忍びのうて毎日水遣りしてるうちに、どんどんお友達を増やしていかはって、いつのまにやらこないに立派にならはったんどす。」

「自分からお友達を作れるて、すごいやおまへんか?わてには到底マネできしまへん。」

「アラシヤマ…」

「そう言えばオマエ友達とかいないのか?オマエがオレとゆずれもん以外と喋ってるとこ今までに一度もみたことないな」

「い、いきなり心臓をえぐるようなことを言うのはやめておくれやす、コジローはん…」

「お、おう!ゴメンな!」

「ええんどす…。どうせわてには友達なんかできっこないんどす…」

「わてをひと目見ただけでみんな『キモい』だの『怖い』だの言うて逃げて行くんどす。けど生まれた時からそうどすからもう、そないな言葉にはわては慣れっこなんどす。」

「でも植物は違います。みぃんなわてがどないな見た目だろうと、愛情をかけた分だけちゃぁんと応えてくれはります。」

「そやからわては植物が好きなんどす。草や花さえ側におってくれたら、友達なんか…」

「友達なんか…」

「必要あらしまへんやろ?」

「アラシマヘン…いやアラシヤマ」

「わかりにくいどすそのボケ方」

「オマエは友達なんか要らんとか言うけどもな」

「実はオレは知ってるんだ。」

「な、何をどすか?」

「オマエ、バトル中にMPパサーをする時、いっつも『友情パワー!』て叫んでるそうじゃないか」

「えっ!?なんでそのことを…」

「この前うちに来たゆずれもんのフレンドのキラパンが教えてくれたんだ。」

「あのおしゃべりパンサー…」


※おしゃべりパンサー近影

「それでな、ヤツはオレに言ったんだ。アラシマヘンは見た目は怖いけど本当はすごく優しいいいヤツだってな。」

「アラシヤマどす…」

「それでな、できれば自分が友達になりたいけども、住んでる所も離れててあんまり会う機会もないから、代わりにオレにオマエの友達になってやってくれって頼んで行ったんだぜ?」

「それなら俺も頼まれたぜ!」

「ゆずぱん!」

「あたしもお願いされちゃったわよ?」

「うさこオマエもか!」

「そうなの。変なこと言うなぁっておもったわ。」

「変…」

「や、やっぱりわてなんかとはみんな関わり合いになりとうおまへんわなぁ」

「え?何言ってんの?アラシヤマちゃん」

「アラシヤマちゃん??」

「だってアラシヤマちゃんもあたしたちの仲間だし、あたしはもうとっくにアラシヤマちゃんはあたしの友達だと思ってたんだけど、ちがうの?」

「おう!オレもそう思ってたぜ?」

「うさこはん、ゆずぱんはん…」

「おっと!オイラのことも忘れないでくれよな!」

「タラバはんまで…」

「コイツはいつも頑張ってるオマエへのオイラからの気持ちだ。黙って受け取ってくれ」

「み…みんな

こんなわてのことをそこまで…。」

「まぁ、これがみんなの思いってこった。トモダチだとかわざわざそんなこと言わなくてもよ、心は通じてるもんなんだぜ。」

おともだち…

オトモダチ…

お友達…

「だめだこいつ聞いちゃいねぇ。」

「アラシヤマちゃんよっぽど嬉しかったのね♪『お友達』ってアラシヤマちゃんにとっては特別な言葉なのよね☆なんだかうさこわかる。ちなみにあたしにとっては『可愛い』が特別なワードよ♪」

「アラシヤマちゃーん!でかけるよー!」

「はーい!いますぐ支度してきまーす♪」

「アラシヤマのやつ、すっかり元気になったな、単純なヤツめ」

「ふふふ。でもね、世の中って案外そういう単純なことの詰め合わせでできてるのかもしれないわよ☆」

「きっとね♪」

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【あとがき】
いかがでしたでしょうか。
いつもMPパサーを頑張ってくれてるパペットマンのアラシヤマくんに捧げるお話です。
その見た目で「キモイ」「怖い」と敬遠されがちなパペットマンさんですが、一緒にいるとなかなかしぐさも味があって可愛いのですよ。
なのでもっとみんなに愛されてほしいなぁ、そんな思いを込めて書いてみました。
少しでも楽しんでいただけたなら幸いです☆
ちなみに「アラシヤマ」という名前は、「南国少年パプワくん」に出てくる”お友達いない”人「アラシヤマ」さんからいただきました(笑)。
「友情パワー」もその彼が良く使っていた言葉です(笑)。

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まもの

Posted by yuzuremon