闇に堕ちたエル子(第10話-聞かせてよ)

彼から再度連絡があったのは、それから約1ヵ月後のことでした。
当時、その件とは別に個人的に辛い出来事があり塞ぎこんでいたところ、心配してLINEを送ってきてくれたのでした。

「心配で心臓がもたない」

という言葉に、びっくりすると共に単純ながら嬉しくて涙が出ました。

その後、間に入ってくださったフレンドさん達のおかげで、また少しずつ彼と私はPTを組んで遊ぶことが出来るようになり、それから半年が経つ頃には、表面上はもうすっかり元通りになっていました。
けれど、やはり私は距離を置かれた辛い日々のことを思うと必要以上に彼に近づくことは出来ず、それ以降は彼が誰と何をしていようとそれについて何か言ったりすることはありませんでした。
(本当はやっぱり気になって組んでいる相手が誰か調べようとしたりと余計なことはしていました…。)

彼はそんな私に安心したのか、再び以前のようによく私をPTに誘ってくれるようになり、当時の彼の新しいフレンドの男性と3人で色々なコンテンツを遊ぶようになっていました。
そして私はその頃はもう、相方というよりは「相棒」として彼の役に立ちたいと思うようになっていました。
もっとバトルがうまくなって、彼が私を相棒のように必要としてくれるようになれれば、この先もずっと一緒にいられる…そんな必死な思いで、自分なりに色々勉強するようにもなりました。
負けてしまったときには、「今のは何が悪かった?」と彼に聞き、アドバイスを受ける日々でした。

その年の夏のこと。

その日は私の母の命日でした。
元々毎年その日が近づくと少しばかり精神的に不安定になる私でしたが、その年はそれが少し重症でした。
おそらく、出産を控えたフレンドさんが母親に色々手助けをしてもらっているという日誌を読んでしまったり、街で仲良さそうにしている親娘連れを見て、寂しさが募っていたのだと思います。
そんな気持ちを少しだけ彼に打ち明けたことがありました。

彼は、その日私に一日付き合ってくれました。
私は、休暇をとったもののお墓参りも法要も既に済ませていましたので、命日とは言え特に何も予定がなく、どうやってこの日をやり過ごそうと悩んでいたのですが、彼からの思いがけないプレゼントのおかげで、辛い一日になるはずが、逆にとても楽しい思い出の一日になりました。
私には何も言いませんでしたが、どうやら事前に彼もこの日のために休暇をとってくれていたようでした。

ログインしてすぐに「今日でチョーカーを完成させよう」と彼が言い、その時点で未完成だった私のバトルチョーカーを完成させるためにたくさんアトラスコインを奢ってくれました。
その後レーンの浜辺でのんびり過ごしていると、突然彼が「そうだお墓参りしよう」と。
そして2人でザマ峠の「博愛の碑」のところに行き、祈りを捧げました。

おかしな言い方かもしれませんが、その日私は、彼がずっと私の手を握ってくれているような、不思議な安心感に満たされていました。
彼が恋愛の相手として私のことが好きなのではなくても、もうこれで十分だと、本当に心からそう思いました。
とても幸せな気持ちでした。

その日ログアウトする前に、私が

「今日という日は毎年とても辛い日だったけれど、あなたのおかげで今年からは”楽しい思い出のある日”に変えることができた。ありがとう」

と言うと、彼は少し驚いて「何もしてないよ」と笑ったことを今もよく覚えています。

そんな風に穏やかで幸せな日々を重ねていた頃、また別の新たな問題が彼の身の上に降りかかっていたことを当時の私は全く知りませんでした。

聞かせてよ 君の声で僕は変わるから
懐かしい苦い言葉で 素直になりたい
(聞かせてよ/草野正宗)

【お願い】
みなさま、いつもたくさんのコメントを本当にありがとうございます。
全部ありがたく受け止めております。
ただ、これはあくまで私自身の振り返りと反省を主旨として書いています。
私の一方的な手記ですので、私に対するご意見は真摯に受け止めさせていただきますが、一切の反論のできない立場の彼に対するご批判はお控えいただけたら幸いです。
何卒ご理解の程、どうぞよろしくお願い致します。
このような事態を予測できておらず、また上手くお伝えできない私自身の力不足を痛感しております。大変申し訳ございません。

ここまでお読みいただきありがとうございます!
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