闇に堕ちたエル子(第4話-三日月ロック)

そのことがあった翌日の夜、ドラクエ10にログインしてみると、例の彼から荷物が届いていました。

中身は
「毎日楽しく遊んでくれているお礼」
との手紙と、眠りG錬金のついた退魔の装束下でした。
その人はランプ錬金職人だったので、自分で錬金して送ってくださったようでした。

私はびっくりすると同時に、とても申し訳なく思いました。
当時、メインでやっていた職業は僧侶だった私ですが、耐性装備についてその人と話していた際に、「退魔を耐性別に揃えたいんだけどお金ないからなぁ」とついこぼしてしまったのを覚えていたのだと思います。
(当時の僧侶向け最新装備は「退魔の装束」でした。)

おそらく夕べの私の話を聞いて、私を元気付けたいと思って送ってくれたのでしょう。
本当に何気なく言葉にしてしまっただけなのですが、もっとよく考えて話すべきだったと後悔しました・・・。
と同時に、そんな些細な言葉を覚えてくれていたことをとても嬉しく思いました。

慌ててお礼の手紙を書きましたが、その時に「もっとこの人と仲良くなりたい!」という気持ちが募り、思わずそこに自分のLINEIDも書き添えてしまいました。
私はふだんはかなり慎重な方で、よほど気を許した間柄でない限り、個人的な連絡先をネット上の知り合いに教えたりすることはまずありません。でもその彼には既に私のかなりプライベートな部分を話してしまったこともあり、私の方にはあまり抵抗はありませんでした。
ただ、まだ知り合ってそれほど経ってもいないのにいきなり距離を詰めてきた私のことを、その彼がどう捉えるか不安でした。
「嫌がられるかもしれない」とも思っていました。

が、それは杞憂に終わりました。
「まさかLINEIDを教えてくれるとは思わなかった」
とは言われましたが、喜んでLINEIDを登録してくれ、それからはほぼ毎日LINEで連絡を取り合うようになっていったのです。

その頃、私は冒険者の広場でよく日誌を書いていました。
ある日の日誌の中に私はこっそりと、とあるメッセージを仕込みました。
その彼が自分の冒険日誌でよくやっていたことと同じく、スピッツファンにしかわからないキーワードを潜ませたのです。

それを読んだ彼から、早速こう聞かれました。

「もしかしてスピッツ好きなの?」

私が「もちろん」と答えると、彼はとても驚いていました。
実はフレンドになる前から、日誌を見て彼がスピッツファンであることを知っていたと告げると

「そういうことはもっと早く言ってよ。」

と笑いつつ、スピッツが好きになったキッカケやどの曲が好きかなど、本当に嬉しそうにたくさん話してくれました。

そして

「それにしても、キミと僕は色々と似ているところがあると思っていたけど、まさかここまでとは思っていなかった」

と言われたのです。

「似ている?」

私はびっくりして聞き返しました。

「うん、とてもよく似ている」

その時の私は、彼のその言葉の意味が、実のところよくわかってはいませんでしたが、「似ている」という言葉は、澄んだ水のひとしずくのように、私の心にゆっくりと浸透していきました。

またひとつ、彼と近くなれた。
そのことがとても嬉しかったのです。

「似ている」という言葉の本当の意味を彼が教えてくれたのは、それからしばらく経ってからのことでした。

いつか跳ねたいな 二人して 三日月 夜は続く
待ちわびて シュールな頭で ただ君を想う
(三日月ロックその3/草野正宗)

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