楽しんでつくること、楽しんで遊ぶこと

何の業種にしろ、お仕事はもれなく大変だと思いますが、「人に遊びを提供する」つまり、食べ物や着るものと違って”それが無くても生きていける”ものを作るお仕事は、価値観も人によって大きく異なり、選択できる遊びの幅も膨大になっている現代日本では、かなり大変なのではないかと思っています。

あまりリアルのことは書きたくないのですが、実は私自身、ゲーム業界に少し関わる仕事をしていたことがあります。
(つくっていたわけではないです)
なので「売れるゲーム」をつくることの大変さについて、多少は理解しています。
苦労してつくったゲームが売れずに潰れたゲーム制作会社も知っています。

その上で思ったことは、人気の高いゲームは、つくる側と遊ぶ側の温度感や認識のズレが少ないということです。

つまり、売る側は「自分達がプレイして楽しめるもの」を作りつつ、同時に「買った側も満足できるのか」という客観的な視点も併せ持っていなければ、本当に面白いゲームは作れないと思うのです。

ここまでを前提として、本題に入ります。

個人的な意見になりますが、上記の観点から言えば、今のドラクエ10は割と危機的な状況にあると私は思っています。

オンラインゲームは、数年はサービスを続けることが前提となりますので、その特徴から、単発のゲームと違って常に進化発展し続けねばならないという難しさがあります。
単発的な面白さで繋ぐコンテンツももちろんあっていいと思いますが、基本的には長期的な視点でコンテンツを開発すべきだと私は思っています。

ドラクエ10の現状のコンテンツには長期的な視点に立ったものが少ないのでは?と思うのです。
はっきり言って「場当たり的」と捉えられても仕方のないコンテンツばかりな気までしてきます。

で、私が思うのは、色々な事情はあるのだと思いますが、ディレクターが何度も交代する事が迷走のひとつの原因になっているのではないかということです。

とは言え、元々私は、初代ディレクターはあまり好きではありませんでした。
初期からやっている方ならお馴染みの「ふーむそうですなぁ」という、プレイヤーからの提案に対する曖昧な返事の仕方や、あまりにもストイックな数々の調整方法に少々辟易していたからです。
それより何より私を失望させたのは、神話篇クエストで最重要アイテムであったはずの「王者セット」について、あっさり「今後必要ないから捨てちゃっていいですよ」と発言したことです。
ドラクエというファンタジーの世界観を大事にするなら、これは絶対に言ってはならないことだったと今でも思っているし、許せない発言であったと思っています。

しかし、今にして思えば、藤澤初代ディレクターは、最もロングレンジでドラクエ10というゲームを扱っていたのではないかという気がします。
当時感じていたストイックさは、ゲームを長続きさせるために必要なものだったと今ならはっきりわかります。
楽なことは必ずしも悪いことではありませんが、達成感とか充実感という面で言えば、苦労した分、達成した時の感動もまた大きいものです。
そういう意味で、藤澤初代Dはあらゆる方向からこのゲームを俯瞰し、ドラクエ10を10年は確実に「楽しく」遊べるゲームを作ろうとしていたと思うのです。

2代目ディレクターは、人間的には素晴らしい方だったと今でも思っていますが、あまりにもショートレンジ思考だったため、様々な緩和が結果的にゲームの寿命を縮めてしまった気がしてなりません。
言うなれば、ゲーム性よりもプレイヤーを大事に扱い過ぎたのではないかなと思うのです。
少々強い言い方になってしまい申し訳ありませんが、その場の思いつきでの場当たり的な修正やミニゲーム等、その時点では「楽しい」「良かった」と評価されるものの、「で、これその後どうするの?」と問われれば沈黙せざるを得ないようなものが多数ではないかと。
継続して長く遊べるコンテンツがあまりにも少ない。
あくまで私見ですが、齋藤氏は素晴らしいゲームを作る力はあるけれど、オンラインゲーム向きではなかったのかな、と思います。

そして三代目、現ディレクターの安西氏についてですが、現時点の新コンテンツを見る限り、「ドラクエ10を本当にわかって作っているのか」疑問です・・・。
「アストルティアキャラクターズファイル」と銘打ったシリーズ第一弾「リーネさんのセレブな日常」については、「何故これを作ったのか」「どうしてこんな風に作ったのか」が未だに理解できずにいます。
勇者と盟友よりも確実に強くほぼ主人公不要なバトルでのリーネ(ボディガードなんか要らないじゃないですか)、大富豪でありながら有り得ないクエスト報酬・・・。
あれを「キャラクターを掘り下げた」と満足して作っているなら、私は今の制作陣を全く信用できません。
あのクエストを作った方々は、本当にあれが面白いと思ったのでしょうか。そうだとしたら私はとても残念に思います。
(現ディレクターがこれにどれぐらい関わっていたかは不明ですが、GOを出したのは確実ですから)

そして「いにしえのゼルメア」。
これについても「遊んで楽しいと思うもの」を作ろうとしたとは現状では思えないです。
ただ、これはまだ評価するには早過ぎると思いますので、もう少し様子を見たいと思います(上からですみません)。

以上、感情に任せて書き散らしてしまい申し訳ありません。
また、異論もあろうかと思います。楽しんで遊んでいる方に不快な思いをさせたことに対して謝罪致します。

ただ、私は今、とても悲しいのです。
5年以上、慣れ親しんで楽しんできたドラクエ10が、何やら「得体の知れないもの」に変質していくような怖さ、寂しさをうっすらと感じ始めています。

ドラクエ10はまだまだこんなもんじゃない。
やっぱり素晴らしいゲームだった!
今年の終わりに、そんな風な感想が書けることを期待して、私はこれからも遊んでいきたいと思っています。

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