アストルティア昔話(第9話)-そして誰もいなくなった

2018年4月8日

オッス!
オイラはジュレットの見張り番プノッペ。
毎日ここの高台から飛び降りる奴を見守ってるぜ!

まぁ、見てるだけなんだけどな!

さてそんじゃ前回の続きだ。

エル子とパパさんは、その後も2人でレベル上げをしたり色々なコンテンツに参加したりして毎日楽しく過ごしていた。

初めてのハロウィンイベントではカボチャをかぶって遊んだり

クリスマスイベントでは可愛いサンタの衣装を着てはしゃいだりしていたんだ。

それにしても画質が悪いな。Wiiだったししょうがないな。

その後の大型アップデートでは、魔法戦士とスーパースターが実装された。

だが、実装された当初の魔法戦士は今と違ってあまり強くなくてな。
MPパサーばかりが重宝がられて、あの頃は「電池」なんて呼ばれていたりしたんだ。

今では色々強化されて、邪神の宮殿や防衛軍では大活躍だけどな。

「電池」で思い出したんだが、初期のサポート僧侶は「ホイミタンク」と呼ばれるちょっと酷い使われ方をしていたようだぜ。

初期のうちは、ソロでも倒せる少し弱めの敵でレベル上げするのが一番効率的だったんだ。
で、サポートに雇った僧侶を戦闘に出さずにソロで敵を倒して、倒した後で僧侶を参加させて「まんたん」をするわけだ。
今は控えにいても雇われているだけでサポートにも経験値が入るようになったが、最初の頃は戦闘に参加しないと経験値はもらえなかったからな。
そりゃー僧侶で酒場登録している者から見れば腹立たしいよな。

で、それは後に改善されてPTボーナスが引き上げられた事で、そんな使われ方は廃れて行ったんだ。
まぁ、効率という言葉からは一番遠いところにいたエル子にはあんまり関係なかったようだけどな。

それからスーパースターは転職クエストが大変だったようだな。
自身がボケるか他の奴におうえんしてもらうことによってスーパーハイテンションになって敵を倒すわけだが、エル子はそのクエ中にうっかり死んでしまい、手伝ってくれていたパパさんは戦士だったもんだから蘇生が出来ず(おうえん役だからPT組んでないしな)必死でメギストリスまで転職しに走って行ってくれたんだと。今じゃいい思い出だけど、こんなへっぽこエル子のお守りはパパさんも大変だったろうな。

翌2013年の3月には、ついに戦闘大好きなパパさん待望のバトルマスターが実装された。
同時に賢者も実装されたんだが、それまで僧侶一本でやってきていたエル子は少し不満だったようだな。

え?なんでかって?
ザオラルまでしか使えない僧侶に対して、賢者はザオリクが使えたからな。
しかも早詠みの杖を使えば素早く呪文が唱えられる上、攻撃魔法まで使えるときたもんだから、それまでPTの要として君臨していた僧侶の地位が脅かされるかと心配だったんだな。
だがまぁ、賢者はその分回復魔力はあまり高くないし、準備にターンが必要な点で僧侶より不利で、当時はエル子が心配したような事態には至らなかったがな。

まぁ、現在は次第に僧侶不在の構成も増えてきて、強化された賢者にだいぶ席を奪われつつはあるようだけどもな。

おっと!話が脇道に逸れちまったな。

そう、パパさんはバトルマスターの実装をとても喜んでいた。
「これから頑張ってバトマスのレベル上げるぞ!」
と張り切っていた。

ところが、だ。
それまでほぼ毎日ログインしていたパパさんが、その頃から数日ログインしない日が出てくるようになった。
「仕事が繁忙期に入って中々ログイン出来ない。」
と言っていたから、また余裕が出来れば元に戻るだろうとエル子は思っていた。

しかしな。
最初は2、3日おきだったログインの間隔が、次第に4、5日おきになり1週間おきになり、と、目に見えてパパさんのログインは減ってきていたんだ。

そしてある日のこと。

いつものようにエル子がログインしてみると、ポストに一通の手紙が届いていた。
そして同時にゴールドとたくさんのアイテムも。

そう…
それはパパさんからの贈り物だった。

手紙にはこう書かれていた。

「本日を以ってドラクエを引退します。今まで一緒に遊んでくれてありがとう。とても楽しかったです。どうかお元気で!」

パパさんの引退の本当の理由は今でもわからないままだ。
単にドラクエに飽きてしまったのか。
それともリアルで何かあったのか。

今になって、もしかすると、とエル子が思うのは、たとえ何もなくとも、自分を放ったらかして毎日毎日同じ女の子キャラとずっと遊んでいるパパさんに、奥様から不満が出たのかもしれないな、ということだ。

まぁその後、結局今に至るまでパパさんは戻らないままだから、真相は闇の中だがな。

それはともかく。

そんな手紙ひとつで、ふいにパパさんはエル子の前から姿を消したわけで。

エル子は悲しかった。

そしてただただ寂しかった。

お金もアイテムも要らない、と突き返したかったが、返す相手が不在ではどうしようもない。

エル子は、パパさんから送られてきたものは、今でも何一つ手を付けていない。
もらったアイテムは、ずっと倉庫に眠っている。

いつか

ひょっこりパパさんが戻ってくることがあれば

「はい!預かってたもの返すね。」

と言って手渡そうと思っているのだ。

そんな日など、もうきっと来ることはないだろうことは、エル子自身よくわかっちゃいるんだけどもな。

でな。

この前数年ぶりにパパさんの住んでいた家を訪ねてみたんだと。

長期休止者の土地の整理が始まっているから、パパさんの土地もそのうち対象になるだろう。
その前に一度見ておきたいと思ったわけだな。

久々に訪れたパパさんの家はやっぱり殺風景で、がらんとした家の中にはベッドとタンスがあるだけ…
と思ったら、一緒に遊んだクリスマスイベント報酬の家具も飾ってあったらしい。

それを見たとき、エル子はこう思ったんだ。

思い返せば、パパさんとの冒険は本当に楽しいことばかりだった。
住むところも年齢も全く違う、本来なら出会うはずもない人と、そんな風にたとえ一時でも一緒に楽しく遊んだことは、小さいけれど、確実に「奇跡のような出来事」だったんだなぁとな。

ドラクエって、オンラインゲームって、ほんとにすごいよな。

ところでな。

ここまでしんみりとさせといて何なんだが…。

実はな…。

エル子は

最後までパパさんの種族を知らないままだったんだとさ。

いやマジで!

エル子の知ってるパパさんはな

ムービーに出てくるエックス君そっくりだったんだと。

Σ(・□・;)

まぁ、そんなこんなでとうとうまたボッチに逆戻りしたエル子。

これからこいつにどんな運命が訪れるのか。

それはまた今度な。

アストルティア昔話(第10話) -ラビリンスへようこそに続く。

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